本日付け地元紙・福島民報の記事から。
郡山市の太田西ノ内病院に県内民間初となる「母子ICU(MFICU)」が新設され稼働しているという。喜ばしニュースだが、10年前に取引先の都内の病院でMFICUの設置が進むのを見ていた私は、福島県の中心部にある中核都市の中核病院への設置としては遅かったとも思った。
記事によると、太田西ノ内病院の「MFICU」は地域周産期母子医療センター内に設けられ3床が稼働し、専任の医師や看護師らが24時間体制で診療に当たり、『母体や胎児の容態が危険なために継続した監視下で適時適切な医療対応が必要と医師が判断した場合に受け入れる』という。合併症妊娠、妊娠高血圧症候群、多胎妊娠、胎盤位置異常、切迫流産などの症状の妊婦らを想定しているようだ。
太田西ノ内病院の「MFICU」設置は、今までは福島県立医科大学付属病院だけが頼りだった、上記症状を抱える妊婦さんにとっては朗報ではないだろうか。郡山市を問わず、圏域の産婦人科医も安心できるだろう。
先日22日の記事には、昨年の県内の一般医療機関から周産期センターへの搬送数が499人で過去最多とあった。
記事では、『連携する病院間での搬送が増えた事も一因』と県地域医療課のコメントが掲載されていた。
ここでいう周産期センターとは、以下10施設を指す。
・総合周産期医療センター(福島県立医科大学)
・地域周産期医療センター(太田西ノ内病院、国立病院機構福島病院、大原綜合病院、総合磐城共立病院、竹田綜合病院)
・周産期医療協力施設(星総合病院、寿泉堂綜合病院、白河厚生総合病院、公立相馬総合病院)
社会の変化や生き方の多様性に伴い、お産を取り巻く環境も変わってきている。太田西ノ内病院の「MFICU」の設置が、授かった命が確実に生を受け、全ての母子が無事に退院できるという福島の周産期体制の確立につながる事を期待したい。
(了)
*参考:厚生労働省「周産期母子医療センター整備の現状等について」(PDF)
根本 潤(福島県郡山市)
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