地元紙の社説に、ビックパレット北型の郡山市有地に郡山合同庁舎移転される事に関連して、新駅設置を訴えていた。
私もこの意見に賛成だ。福島県産業交流会館「ビックパレット」は大型展示会ができる県内随一の多目的施設でありながら、新幹線駅・郡山からのアクセスが悪かったからだ。
県中地方振興局や県中建設事務所などが入る郡山合同庁舎移転による“官需”で、利用者のベースができると思われるので、新駅設置は妥当だと私は思う。
しかし、現在“新駅”候補地を通過する列車の本数が少ない。郡山(発)の上り列車を見た場合、8時、10時、12時、14時、17時、20時、22時、23時台が1本しかない。これでは、列車の利用者が増えない。ただ、東北本線は物流の大動脈で貨物列車の往来が多いため、簡単に列車を増やす事もできない。
そこで、私は郡山~安積永盛間の東北線脇に側線を一本引き、磐越西線・磐越東線・水郡線に直接乗り入れ、“LRT”化するのが良いと思う。
参考になるのが、JR富山港線を譲り受けて“路面電車”を走らせている富山ライトレール㈱富山港線。大半の鉄路をそのまま使い、床の低い車両を走らせている。
ホームはまたげる程低く、社内から残された旧JRのホームを見ると壁のようだ。
高さの違いもさることながら、駅設備も簡素にでき、設置費用もグンと抑えられるのでないかと思う。
富山ライトレールの事例は、JRからの切り離しだが、郡山の場合は磐越西線・磐越東線・水郡線の“1時間に1本”以下の低密度の路線をJRから借り受ける。郡山~安積永盛間には貨物駅もあり、そのため路盤幅が広いので側線を通し専用線とする。
郡山~安積永盛間の専用線を核に磐越西線、磐越東線、水郡線にLRT車両を直接乗り入れさせ、毎時3~4本の列車を走らせる。そして各線に1~1.5km毎に駅を設ける。磐越西線は喜久田までの間に3新駅、磐越東線は舞木までの間に2新駅、水郡線は谷田川までの間に2以上の新駅となる。東北線の郡山~安積永盛間は人口や学校位置を考慮するれば、“ビックパレット新駅”の他2駅程度新設が必要だろう。
磐越西線は、磐梯熱海駅から分岐させ温泉街中心部まで延伸させ、市民や観光客のアクセスを改善させる事、安子ヶ島駅にトランジットセンターを設け、西部第一・第二工業団地への通勤客をバスで運ぶなどの展開も考えられる。
磐越東線は、三春町の協力が得られれば、三春駅までの延伸。水郡線は、須賀川市と玉川町の協力が得られれば、川東駅の先で分岐させ福島空港まで延伸するという展開がある。
この案が成されれば、次の事を目的にしている。
①車無しでは生活が成り立たないという“移動の制限”を解消し、誰もが低価格で安心して移動の予定を立てられる街にする事で、移住者や起業家を惹きつける。駅近辺に都市部より敷地の広い家や自然豊かな環境にオフィスを構えられるという差別化もできる。
③田村町や中田町、熱海町の点在する集落の高齢者を中心に移住を促し、高齢者が医療施設や介護福祉施設、交流施設、商業・娯楽施設へ自由に安心して移動できる環境ができる。
③毎時3~4本という公共交通の軸ができ、各駅からバスや自家用車(ライド&パーク)、自転車などを組み合わせ、渋滞解消や事故などの移動全般への不満や不安が減少する。
私は“ビックパレット新駅”建設を契機に、公共交通が再編・強化され、郡山市が福島県の中心として人や仕事を呼び込み活性化することを期待したい。
(了)
根本 潤(福島県郡山市)
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